私が就職活動をしているときに、書いたメモの言葉をピックアップしていきます。
「他の人より優れているところがどこなのか」という問いに対して「調和の心」と書いていました。

―調和とは?
全体がほどよくつりあって、矛盾や衝突などがなく、まとまっていること。また、そのつりあい。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
この当時は、周りと上手くやっていくことを常に心がけていました。
確かに周りと上手く付き合って仕事することは良いことです。
しかし、私の意気込みとしてこの言葉には問題があります。
理由は2点、「自分の本当の気持ちと一致しない」、「八方美人の意気込みそのもの」という点です。
1.自分の本当の気持ちと一致しない

以前私は、久々に遠くにいる大学の友人2人と会いました。
友人の一人が結婚することになったのがきっかけでした。
当時周りから見るとよくケンカしている風に見えていた二人ですが、その割にはいつも一緒にいました。
私はいつも仲立ちするような感じの入り方をしていたのですが、そのときに、「お前何言ってるの?」と言われたこともありました。
当時はよく理解できていませんでしたが、久々に会ったときにその真意を知ることができました。
この二人の言い争いは喧嘩のそのものとは違い、互いの意見をぶつけ合って分かり合うという行為でした。
〇知人は文字通りただ知っているだけの人
自分の周りに残る人とは、いったいどんな人でしょうか?
上辺っ面で付き合っている人はすぐ自分の前から消えていきます。
何年も後までつながりを持っている人は、同じ志を持っている人、本気で語り合える人ではないでしょうか?
昔から切っても切れない腐れ縁ということもあるかもしれませんが、少なくとも“自分の本当の姿を受け入れてくれる人”としか深い縁は結ばれません。
心を許した友人だからありのままの自分を出せるでしょうし、仮にそこで合わない人であれば、長い交友関係は結ぶことはできないでしょう。
様々な人がいる社会では必ず衝突が起きます。
それぞれ違う立場の人間をうまくまとめるにはそのような人材は必要でしょう。
調和、確かにそれができるのであれば組織にとっては必要とされる人材かもしれません。
しかし、それは同時に孤独との戦いです。
会社でいろいろな立場の人から相談受けることはあったのですが、私としては苦痛でしかありません。
いろいろな立場の人の板挟みになるほど、自分の意見は言いづらくなります。
それだけ、この言葉を長所として選ぶのは不自然極まりないです。
2.八方美人の意気込み

―八方美人とは
《どこから見ても難点のない美人の意から》だれに対しても如才なく振る舞うこと。また、その人。非難の気持ちを込めて用いることが多い。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
中学生時代、人間関係が上手く行かない時期がありました。
自信を失い、いつしか自分を常に見下していました。
「これを言ったら嫌われないだろうか」
常に他人を気にしていました。
どんな人の前でも優しく笑顔でいよう、そうやって自分を殺して嫌われないように努めました。
その名残がずっと残っていたのでしょう。
しかし、誰にも同じように嫌われないようにする振る舞いはある意味ロボットみたいなものです。
どんな人でも肯定して振る舞うその仲裁者に、人間味を感じる事はできるでしょうか?
一見誰に対しても如才なく振る舞うという行為は素晴らしいことのように思えますが、あくまで人間は感情で動く生き物です。
誰にでも平等に振る舞う行為というのは、誰に対しても自分を伝えることができない消極的な行為です。
分かり合える人がいなければ、自然と周りから人は消えていきます。
上辺っ面な行為は悪く映っても良くは映りません。
<終わり>
芸能人の好感度ランキングでは、不思議なことが起きます。
好感度ランキング1位の人が、嫌いな芸能人のワースト10に入ることもあります。
これは、どんな人でも全ての人に好かれることはないということを示す結果となります。
「全ての人に嫌われない」という無理な命題をいつまでも持っていても何も始まりません。
<まとめ>
調和の心・・・いずれにしても、自分への自信のなさから来た言葉です。
良いところは残しつつ、自分をもう一度見つめなおし、調和ではなく自分の信念を言えるような人間になれれば一歩成長した姿になれるのではないでしょうか。